スパイク講座

私たちcielは、実際に体育館で練習をしているわけですが、

その一部として、また体育館での練習(指導)の補完として、

「スパイク」について簡単に解説してみたいと思います。

 

 

■ トップ選手の打ち方をマネしたら、ダメです!?

スパイクに限らないかも知れませんが、

選手の体格や筋力などによって適した打ち方が、きっとあるんだろうな、と思います。

例えば(男子で言えば)身長2m前後の選手が打つスパイクを見て、

部分的に見習うところがあったとしても、じゃあ、同じような打ち方をして

高いパフォーマンスを出せるか、というと、やや疑問が生まれます。

大多数の人は、そんな高い身長に恵まれていないでしょうし、あんなパワーを

持っている人も少ないのではないでしょうか。

そんな人が、より高いレベルのバレーを目指していけば、自然と

自分より高い選手、パワーのある選手の中に入って戦っていかなければなりません。

そんなときでも通用するように。

1ランクでも上のステージで、上のレベルでバレーができるように。

皆さんには、そんな選手になって欲しい、そんな選手を目指して欲しい、と思っています。

 

 

このスパイクを打っているのは、身長178cmです。

ネットの高さはインドアと同じ、243cmです。

肩の力も、実は(見た目に反して)弱いほうです。

 

インドアとビーチとでは、ちょっと打ち方・跳び方が変わってきます。

足元が砂でジャンプ力が落ちてしまいますし、風でトスが流れることも

想定して打たなければなりません。

(ただ、この動画では、極力インドアに近い打ち方・跳び方で打っています。)

 

世界のトップ選手の人たちとは、ちょっと打ち方が違うかも知れません。

しかしもし同じような打ち方をしていたら、パフォーマンスは落ちてしまうでしょう。

インドアならともかく、ビーチで、低い選手が力強いスパイクを打つためには、

より一層、いろいろな工夫が必要になってきます。

 

以下、具体的に書いていきたいと思います。

 

 

 

■ 背が低い選手は…

2m前後の選手は、もちろん全てではありませんが、

高さに頼った打ち方をします。

逆に言うと、だからこそ、背の低い私たちにも、入る余地(チャンス)が生まれるわけです。

背の低い私たちは、それでもとにかく打点を高くする努力をしなければなりません。

(「高さだけじゃない、技でカバーするんだ」という人もいるでしょう。

 それはそのとおりです。

 ただ、技を繰り出すにしても、絶対的な高さがあったほうがより効果的になります。

 高さがあればこそ、タイミングをずらしたり、落ち際に打ったり、空中でブロックを

 見て打ったり、…ということが余裕を持ってできるし、バリエーションも広がります。)

 

背の高い選手以上に、背の高い選手の何倍も、努力し、工夫し、試行錯誤し、

打点を高くする方法を考えたり、トレーニングしたりすることになります。

打点を高くする方法は、大まかには2つ考えられます。

 

①高くジャンプすること

②指高を高くすること

 

①⇒正しいジャンプの仕方を学ぶこと。ジャンプトレーニングをすること。

 (「筋肉をつける」というよりも、「ジャンプに使うべき筋肉をしっかり使えるように

  意識を持っていく、呼び起こす」ほうがいいと思います。

  具体的な方法は…ここでは割愛します。。)

 などなどありますが、すぐできる(やって欲しい)こととしては、

 「スイング」とか「ヒット」とかよりもまず、とにかく「高く跳ぶ」ということに

 全神経を注ぐ、ということです。常に全力ジャンプです。

 それで数センチ、数ミリでも高さを稼げれば、その分「スイング動作」に

 余裕が生まれます。また常に全力ジャンプをしていれば、ジャンプ動作が「上手」

 になり、それが「ジャンプ技術の学習」につながり、「ジャンプ力向上」につながります。

 

②⇒これは、身体のサイズを、目一杯、無駄なく最大限活用する、ということです。

 具体的に言うと、身体の「対角線」が一番長いはずなので、この長さを最大限

 活用する、ということです。

 つまり、(右利きの場合)右手から左足までが一直線(垂直)になるような形で

 打ちます。

 

 

■ パワーがない選手は…

これも同じです。

例えば、腕とか肩とかの力がすごく強い人は、

きっとその力に頼った打ち方をする傾向が強いんじゃないか、と思います。

私たちのようなパワーのない選手は、当然マネできません。

(する必要もないのですが。。)

これも2つ挙げてみます。

①身体の中で、「パワー系担当」の部位を最大限使う。

 バレーでは、6人の選手が、役割分担をしながら1つのプレー、1つのチームを

 作り上げていきます。

 人間の身体も同じです。指、腕、肩、背中、股関節、脚、などなど、いろんな部位があり、

 それぞれに得意なこと・不得意なことがあります。

 大きな力を出すのが得意な部位、繊細な動きをするのが得意な部位、などなど。

 そうした役割をしっかり認識し、しっかり役割分担させることです。

 「パワー系」というのは、分かりやすく言うと、「筋肉が太い部位」です。

 身体の中心に近い部分ですね。体幹とか。

 

②回旋運動をうまく使う。(単純な上下運動とかではなく。)

 これは、「身体全体(体幹)の回旋」「腕の回旋」などです。

 これにより、より大きなパワーを生み出します。

 具体的な動かし方については、ここでは割愛します。。

 

 

 

■ 最後に…

バレーボールは、背の高い人間が有利なスポーツです。

そういうスポーツはいくつかありますが、バレーボールはもっとも顕著かも知れませんね。。

何か切なくなりますが。。それでも、身長に合った楽しみ方とか、

身長のハンデを克服して、余りあるような高いパフォーマンスを追い求めて

身につけて、高いレベルに挑戦していく、

自分より高い選手の中で、そんな選手たちを押しのけて、大活躍する。。

そんな醍醐味を夢見て、そして実現する。。

…というのも、いいんじゃないかな、と思ったりします。

 

自分に克つ。自分にとっての「最高のプレー」を追及する。

…そんな選手を、cielは応援していきたいな、と思っています。

一緒に頑張りましょう!!!