私たちcielは、実際に体育館で練習をしているわけですが、
その一部として、また体育館での練習(指導)の補完として、
「スパイク」について簡単に解説してみたいと思います。
スパイクに限らないかも知れませんが、
選手の体格や筋力などによって適した打ち方が、きっとあるんだろうな、と思います。
例えば(男子で言えば)身長2m前後の選手が打つスパイクを見て、
部分的に見習うところがあったとしても、じゃあ、同じような打ち方をして
高いパフォーマンスを出せるか、というと、やや疑問が生まれます。
大多数の人は、そんな高い身長に恵まれていないでしょうし、あんなパワーを
持っている人も少ないのではないでしょうか。
そんな人が、より高いレベルのバレーを目指していけば、自然と
自分より高い選手、パワーのある選手の中に入って戦っていかなければなりません。
そんなときでも通用するように。
1ランクでも上のステージで、上のレベルでバレーができるように。
皆さんには、そんな選手になって欲しい、そんな選手を目指して欲しい、と思っています。
このスパイクを打っているのは、身長178cmです。
ネットの高さはインドアと同じ、243cmです。
肩の力も、実は(見た目に反して)弱いほうです。
インドアとビーチとでは、ちょっと打ち方・跳び方が変わってきます。
足元が砂でジャンプ力が落ちてしまいますし、風でトスが流れることも
想定して打たなければなりません。
(ただ、この動画では、極力インドアに近い打ち方・跳び方で打っています。)
世界のトップ選手の人たちとは、ちょっと打ち方が違うかも知れません。
しかしもし同じような打ち方をしていたら、パフォーマンスは落ちてしまうでしょう。
インドアならともかく、ビーチで、低い選手が力強いスパイクを打つためには、
より一層、いろいろな工夫が必要になってきます。
以下、具体的に書いていきたいと思います。
2m前後の選手は、もちろん全てではありませんが、
高さに頼った打ち方をします。
逆に言うと、だからこそ、背の低い私たちにも、入る余地(チャンス)が生まれるわけです。
背の低い私たちは、それでもとにかく打点を高くする努力をしなければなりません。
(「高さだけじゃない、技でカバーするんだ」という人もいるでしょう。
それはそのとおりです。
ただ、技を繰り出すにしても、絶対的な高さがあったほうがより効果的になります。
高さがあればこそ、タイミングをずらしたり、落ち際に打ったり、空中でブロックを
見て打ったり、…ということが余裕を持ってできるし、バリエーションも広がります。)
背の高い選手以上に、背の高い選手の何倍も、努力し、工夫し、試行錯誤し、
打点を高くする方法を考えたり、トレーニングしたりすることになります。
打点を高くする方法は、大まかには2つ考えられます。
①高くジャンプすること
②指高を高くすること
①⇒正しいジャンプの仕方を学ぶこと。ジャンプトレーニングをすること。
(「筋肉をつける」というよりも、「ジャンプに使うべき筋肉をしっかり使えるように
意識を持っていく、呼び起こす」ほうがいいと思います。
具体的な方法は…ここでは割愛します。。)
などなどありますが、すぐできる(やって欲しい)こととしては、
「スイング」とか「ヒット」とかよりもまず、とにかく「高く跳ぶ」ということに
全神経を注ぐ、ということです。常に全力ジャンプです。
それで数センチ、数ミリでも高さを稼げれば、その分「スイング動作」に
余裕が生まれます。また常に全力ジャンプをしていれば、ジャンプ動作が「上手」
になり、それが「ジャンプ技術の学習」につながり、「ジャンプ力向上」につながります。
②⇒これは、身体のサイズを、目一杯、無駄なく最大限活用する、ということです。
具体的に言うと、身体の「対角線」が一番長いはずなので、この長さを最大限
活用する、ということです。
つまり、(右利きの場合)右手から左足までが一直線(垂直)になるような形で
打ちます。
これも同じです。
例えば、腕とか肩とかの力がすごく強い人は、
きっとその力に頼った打ち方をする傾向が強いんじゃないか、と思います。
私たちのようなパワーのない選手は、当然マネできません。
(する必要もないのですが。。)
これも2つ挙げてみます。
①身体の中で、「パワー系担当」の部位を最大限使う。
バレーでは、6人の選手が、役割分担をしながら1つのプレー、1つのチームを
作り上げていきます。
人間の身体も同じです。指、腕、肩、背中、股関節、脚、などなど、いろんな部位があり、
それぞれに得意なこと・不得意なことがあります。
大きな力を出すのが得意な部位、繊細な動きをするのが得意な部位、などなど。
そうした役割をしっかり認識し、しっかり役割分担させることです。
「パワー系」というのは、分かりやすく言うと、「筋肉が太い部位」です。
身体の中心に近い部分ですね。体幹とか。
②回旋運動をうまく使う。(単純な上下運動とかではなく。)
これは、「身体全体(体幹)の回旋」「腕の回旋」などです。
これにより、より大きなパワーを生み出します。
具体的な動かし方については、ここでは割愛します。。
バレーボールは、背の高い人間が有利なスポーツです。
そういうスポーツはいくつかありますが、バレーボールはもっとも顕著かも知れませんね。。
何か切なくなりますが。。それでも、身長に合った楽しみ方とか、
身長のハンデを克服して、余りあるような高いパフォーマンスを追い求めて
身につけて、高いレベルに挑戦していく、
自分より高い選手の中で、そんな選手たちを押しのけて、大活躍する。。
そんな醍醐味を夢見て、そして実現する。。
…というのも、いいんじゃないかな、と思ったりします。
自分に克つ。自分にとっての「最高のプレー」を追及する。
…そんな選手を、cielは応援していきたいな、と思っています。
一緒に頑張りましょう!!!